ポイントの中にマーケティングの宇宙が広がっていた(後編)

顧客戦略部のChiyoです。エンターテイメント・イノベーション企画室で、マーケティングを通じて、もっとでっかいエンターテイメントを、楽天から社会へもっとたくさん届けよう!それが、イノーベティブなものになればなおよし!と日々汗をかいています。

ポイントの中に広がるマーケティングの宇宙。とても奥が深い=とても仕事が楽しい
ポイントの中に広がるマーケティングの宇宙。とても奥が深い=とても仕事が楽しい

第2回は、ポイントの宇宙旅行準備の後編ということで、
① 楽天ポイントって、何ですか? ←前編では、ここまで
② 財布がポイントカードでパンパンですが、みんなもそうですか? ←今日は、ここから
③ タイトルで「宇宙」だなんて、大風呂敷を広げて大丈夫ですか?
というご質問にお答えする形で、宇宙旅行の準備のつづきとします。

財布がポイントカードでパンパンですが、みんなそうですか?

日本人のクレジットカードの平均保有枚数は3枚を超えているそうです。クレジットカードでこの枚数ですから、もっと気軽に入手できるポイントカードは、軽くその倍を超えているのではないでしょうか。普段、ポイントが好きな方にお話を聞かせていただく機会が多いのですが、「ポイントカード専用の財布を、常に2つ持ち歩いていますよ」「家にポイントカード専用の箱を用意していて、外出先によって、財布に入れるカードを変えるんですよね」といった猛者の方々にお会いすることが少なくありません。

これは、私たちのチームで調べたデータですが、

世界で一番ポイント好きな国民は、日本人。(おそらく。私が調べた限りのデータ)

なので、財布がパンパンのみなさん、それは、ポイントを愛する日本人として、とても、平均的な姿なのです。世界一を誇って、どんどん分厚くしてください。(でも、分厚いのが気になったら、「R」と書いてあるもの以外を、ごっそり捨てて、財布をスリムにしてください)

で、データのお話をしたついでに、もうひとつ面白いデータを。こちらは、調査会社さんの国際調査のデータ*からですが、

世界で一番買い物を楽しむ国民は、日本人。

なのです。別の調査では、「あなたの趣味は」と問われると、日本人の1/2以上の人が「買い物」を選ぶそうです。最近、「買い物という行為自体が、コストなのだ」と言われることが出てきましたが、日本人は、「Shopping is Entertainment!」なのです。

この2つのデータ合わせて考えるととても面白くないです?世界で一番ポイントが好きな日本人が、世界で一番買い物を楽しんでいる。とすると、私たちは、ポイントマーケティングを通じて、日本の買い物の楽しさを、さらに言ってしまうと、世界に通用する日本のエンターテイメント性を支える仕事をしているのではないか?私自身、この2つのデータを見てから、自分の仕事と「日本の競争力」を近づけて考えるようになりました。

タイトルで「宇宙」だなんて、大風呂敷を広げて大丈夫ですか?

たしかに、マーケティングの宇宙が、ポイントの中に広がっているというのは、大げさかもしれませんが、かれこれ20年近く、分析とマーケティング・ブランディングの畑を耕してきた人間としての、偽らざる本音です。ポイントに宇宙はあります。

たとえば、こう質問されたら、皆さんどう答えます?
楽天市場での買い物の後にもらうなら、100円、100ポイントどっちがうれしい?

次のお買物の値引きに使うなら、その機能に全く差がないので、どっちも同じでしょうか?機能だけに注目して合理的に判断すると、そうかもしれません。お金は人にあげられるけど、ポイントはあげられないから、僅差でお金でしょうか?そうかもしれません。これ、私たちのお客様に質問すると、「ポイント」を選ばれる方がとてもたくさんいらっしゃるのです。なかなかの非合理じゃないですか。

これ、色々学ばれている方も多いと思いますが、経済学の中でも非常にホットな「行動経済学」のど真ん中ですよね。だから、行動経済学は、ポイントを扱うチームとして、必修の自習課目にしています。行動経済学からの学びは大きいのですが、一方で、普段、ABテストや施策のROI分析をしていると、「あれ、これ新しい行動特性見つけてしまったんじゃないか」ということが少なからずあります。現場で、新しい企画を日々お客様に提案し続けているからこそ、期せずして、こういった学問のフロンティアに立てているのかもしれません。「ポイント行動経済学」という大著が、楽天から上梓されるのも、そう遠くないですよ。

「行動経済学」は、膨大な研究余地のある銀河の1つなのですが、前回も少しご紹介したように、ポイントを扱うと、ポイントの本質を知り、それをうまく活用しようとして、「力学」だ、いやいや「幾何学」だ、今度は「麻酔学」だと、突拍子もない銀河を旅することを繰り返しています。こういう色々な学問の交差点(=ポイント)に、ポイントが存在するからなんですよね。

次回からは、このポイントの不思議な力を、少しずつご紹介していこうと思いますが、最後に、もうひとつデータをご覧ください。子供のとき、「ビックバンで始まり急速に膨張した宇宙は、急速に収縮して終わりを迎える」というビッグクランチ論を知って、なんともいえない虚無感に襲われたのですが、今日では、宇宙が終わらない永遠膨張説のほうが有力なんですよね。それと同じ「ポイントの宇宙は膨張している」というデータです。

現在の生活全般の幸福度

ポイントを楽しんでいる人は、そうでない人に比べて、生活全般の幸福度が3割も高いのです。ポイントを楽しむことは、買い物を楽しむことだけでなく、人生を楽しむこととも強い相関が見られます。そう、ポイントは生活の中の幸せを大きくしていく可能性すら秘めているのです。

今、私たちが日々行っている、楽天ポイントを使ってマーケティングを実行するというのは、4Pの中のPromotionやPriceを、コツコツ最適化しているということにはとどまらではないのです。人の心を動かし、日本人の買い物を楽しくし、ひいては、日本の幸福度を大きくしていくというとんでもないプロジェクトを進めているのです。少なくとも、私たちのチームは、その矜持を持って、日々ポイントをお届けしています。

宇宙感お伝えできましたかね?なかなか、こういうお話をする機会がないので、ちょっと、熱くなりすぎてしまいました。次回は、もっと気軽に読んでいただける「ポイントの不思議<その1>」です。

※ 2020年3月より「楽天ポイント」が正式名称となりました。

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